- 字を書くことが好きで、いつか筆耕士として働きたいと思っている
- 副業の筆耕を本業にするか迷っている
- フリーランス筆耕士の働き方や準備の流れを知りたい
2025年9月。
私は18年以上続けてきた会社員生活に区切りをつけ、フリーランス筆耕士として新たな一歩を踏み出すことにしました。
なぜ安定した職を手放してまで、筆耕を本業に選ぶのか――その理由は明確です。
私は2年ほど前から副業で筆耕の仕事に挑戦してきましたが、本業と家事・育児の合間では限界を感じていました。
そこで昨年、思い切って筆耕会社の筆耕士募集に応募し、ありがたいことに選考を通過。
しかし家庭の事情で辞退することになり、そのときから「近い将来、必ず再チャレンジする」と心に決めていました。
そして今、家計や子育て面での不安も当時から和らぎ、家族からも「やりたいことに挑戦すべきだ」と背中を押され、ついに本格的な一歩を踏み出します。
この記事では、私が副業から本業へ転身してフリーランス筆耕士になると決めた4つの理由と、独立後の働き方、そして将来の目標まで具体的にお話します。
この記事を読むと見つかるヒント
- 会社員からフリーランス筆耕士へ転身する経緯と、その背景
- 筆耕士として活動の幅を広げるための工夫や取り組み
- 独立後の目標や将来像を描くときの考え方

1級賞状技法士・筆耕士 かおりんご
- 書道歴26年以上
- 5歳〜17歳:書道
- 2011年〜:実用書道(2016年に賞状技法士1級取得)
- 2025年9月〜フリーランス筆耕士として活動開始
- 現在、毛筆書写技能検定にも挑戦中!
- インスタグラムでかおりんごの筆文字動画を投稿中!
賞状技法士1級認定証書

会社員からフリーランス筆耕士へ転身を決めた4つの理由

会社員として働きながら副業で筆耕を続けてきた私が、なぜこのタイミングで本業に踏み切る決断をしたのか。
ここでは、その背景にある4つの理由をお伝えします。
迷いと葛藤を経てたどり着いた決断の過程が、同じように筆耕を本業にしたいと考えている方の参考になれば嬉しいです。
- 「字を書くことで生きていきたい」という想いの高まり
- 副業では限界を感じた働き方
- 子育て面・家計面の不安が軽減
- 「もしダメでも戻れる」という安心感
「字を書くことで生きていきたい」という想いの高まり
私は子どものころから字を書くことが好きでした。
社会人になっても、その思いは変わらず、仕事や家事の合間に筆を握る時間が私にとっての癒やしの時間です。
実用書道を学び続ける中で、
「自分の文字で人の役に立ちたい」
「世の中に貢献したい」
という気持ちは年々強くなっていきます。
昨年、意を決して筆耕会社の筆耕士募集に応募。
ありがたいことに選考通過させていただいたものの、家庭の事情で辞退することに。
この出来事は私にとって大きな転機でした。
あのときの「やりたいのにできない」という悔しさが、私の中でずっとくすぶり続けていました。
それ以来、本業中にも「私はこのままでいいのだろうか」という問いが頭をよぎり、想いはますます筆耕の方向へ傾いていったのです。
副業では限界を感じた働き方
これまで私は、フルタイムのシステムエンジニアとして働きながら、家事・育児の合間に筆耕の仕事をしてきました。
しかし、限られた時間ではどうしてもやれることに限界があります。
- せっかく依頼のご相談を頂いてもスケジュールの都合で断らざるを得ない。
- もっと時間をかけて丁寧に仕上げたい作品も、隙間時間では妥協せざるを得ない。
- 自分の筆耕サービスページのメンテナンスもやりたいし導線も見直したいのにその余裕がない。
気づけば「依頼が来たら受けるだけ」の受動的な働き方になっていました。

もっとしっかりと字を書くことに向き合いたいのに、こんな中途半端な状況が続いてしまい、モヤモヤでハゲそうだなと感じていたよ。
自分から積極的に仕事を取りに行き、新しい挑戦をするためには、時間を確保するしかない!
そう確信しました。
【補足】
私はもともと、いずれは筆耕を本業にすることをずっと考えて活動していました。
そのため、副業で筆耕を継続することは実績を作るにも時間がかかると感じ、上記のような決断をしています。
字を書くことが好きなので、それで少しでも収入が得られるのであれば嬉しいな!という考えの方であれば、副業で筆耕に挑戦することはとてもおすすめです!!
子育て面・家計面の不安が軽減
昨年、筆耕会社への転職を諦めた最大の理由は、学童や保育園の通所規定を満たせない可能性があったことです。
当時は「筆耕会社の業務委託(基本出社勤務)一本」という働き方しか考えていませんでした。
ただ、その働き方では家庭の事情により働ける時間が短くなり、子どもたちが学童や保育園に通うのに必要な就労時間に満たない可能性が高かったのです。
今回は考え方を変え、
- 筆耕会社の業務委託案件
- 自分の筆耕サービス
の両方を組み合わせて完全なフリーランスとして活動する道を選びました。
フリーランスとして働いている事実をしっかりと提示できれば規定を満たせることも直接学童に確認できましたし、仮に退所となっても、子どもたちも成長し、3時間程度であればお留守番もできるようになってきています。
さらに、この数年で夫の本業+副業収入がアップし、家計面の不安も大きく減少。
「やりたいことはチャレンジしないと絶対後悔する」という夫の後押しはかなり心強い言葉でした。



自分を取り巻く環境が整いつつあることも、とても大きな要素だったよ。
「フリーランスが厳しいなら会社員に戻ればよい」という考え方ができるようになった
フリーランスとしての道は簡単ではありません。
特に筆耕というお仕事は、簡単に稼げる仕事ではなく、最初は間違いなく苦労します。
それでも今回一歩を踏み出せたのは、
「仮に上手くいかなかったとしても、もう一度会社員に戻る選択肢がある」
と思えたからです。
私は18年以上、システムエンジニアとしてシステム開発やユーザー支援に携わってきました。
決してプログラミングが得意というわけではありませんが、多くのシステム開発現場での幅広い経験と習得したITスキルは、再就職の強みになるはずです。
直近では、ITベンチャー企業のシステムエンジニアとして、プロジェクトの”ハブ役”として、ユーザーと開発者を結ぶポジションを経験。
この経験も私の大きな自信につながっています。
上記のような「保険」があることが、今回の決断を後押ししました。



上手くいかなかった場合の逃げ道をあらかじめ考えておくことで、気持ちが楽になるよ。
フリーランス筆耕士としての働き方(予定)


9月からは、以下の活動をスタートします。
いずれもこれまでの経験を生かしつつ、スキルアップと仕事の幅を広げるための挑戦です。
- 企業の筆耕室の業務委託案件
- 自分の筆耕サービスの見直し&拡大
- その他の活動
企業の筆耕室の業務委託案件
企業の筆耕室と業務委託契約を結び、賞状や宛名書きなどの案件に取り組みます。
基本は筆耕室に出社しての作業となる予定ですが、一部は持ち帰って在宅で仕上げることもありそうです。
筆耕士として働ける場には、筆耕会社、お寺や神社、ホテルや百貨店の筆耕室などがあります。
その中で私があえて「企業の筆耕室での業務委託」という形を選んだのは…



賞状書きを主軸にした筆耕サービスを自分で作りたいから!
私は「賞状技法士1級」という、賞状書きのプロフェショナルである資格を持っています。
せっかく身につけたこのスキルを活かさない手はありません。
しかし、個人サービス出品レベルでは、賞状案件の実績をなかなか積みにくいのが現実です。
筆耕会社(企業の筆耕室)であれば、以下のような経験ができるのではないかと考えました。
- 大量の筆耕をこなすことで作業スピードと実務力を磨く
- 個人では受けにくい企業や団体からの賞状書きの案件に挑戦できる
- これまでにないジャンルや仕様を経験できる
こんな環境で経験を積むことで、自信を持って「賞状なら私に任せてください」と言える筆耕士を目指します!
自分の筆耕サービスの見直し&拡大
現在、ココナラをはじめ複数のプラットフォームで筆耕商品を出品しています。
しかし正直なところ、これまでの出品は「そのとき作れるものを、とりあえずアップ」してきただけ。
ページ構成や導線をほとんど考えず、商品説明も最小限で、見込み客の心をつかむ工夫が足りませんでした。



せっかく訪れてくれたお客様も、今の私の商品ページを見ても自分に必要なサービスではない、と離れてしまっていると思う…
こんな状況をなんとか変えたい!
訪れたお客様がスムーズに購入まで進めるよう、ページ構成や写真、説明文を一から見直しを行います。
さらに、プラットフォームごとのユーザー層や検索傾向も分析し、最適化していく予定です。
- ユーザーのニーズや悩みをリサーチ
- 商品ラインナップの整理と魅力的な写真・説明文作成
- 各プラットフォームに合った見せ方・キーワード戦略の導入
- 結婚式関連アイテムや企業向け案件など、需要が見込めるジャンルの新商品を計画的に追加
これまでの「とりあえず出す」スタイルから脱却し、戦略的なサービス展開へと進化させます。
こうした改善を重ねることで、単なる「筆耕サービスの出品者」から、
お客様に選ばれ続ける「ブランドとしての筆耕士」へと成長していきたいと考えています。
その他の活動
活動の柱は上記2本ですが、それ以外にも継続していきたい活動があります。
そのひとつが、お正月限定で行っている神社での筆耕助勤です。
私はこれまでに2回、都内観光地の神社で御朱印の筆耕をお手伝いしてきました。
寒空の下、行列をつくる参拝客の方々の手に自分が書いた御朱印がその場で渡ることは、緊張感はあるものの、とてもうれしい体験です。
今年のお正月には、神社の筆耕担当者からこんな言葉をいただきました。
「来年以降も、電話くれれば採用しますので!」



とっても嬉しいお言葉♪
都合さえ合えばぜひ次回も助勤するぞ!!
もうひとつは、ブログでの情報発信(※当ブログの更新)。
これまでの私の資格取得や仕事経験をもとに、
- 筆耕士になるためのステップ
- おすすめの資格や講座
- 実際の現場での体験談
などを発信し、私と同じように字を書くことを仕事にしたい方を応援していきます。
ブログは単なる日記ではなく、筆耕士を目指す人が迷わず進める“道しるべ”として育てていく予定です。



万人受けするものを目指すのではなく、必要な人に必要な情報が届くような発信ができるといいな。
今後の目標とビジョン


フリーランス筆耕士としてのスタートラインに立つ9月。
正直、しばらくは収入面で“雀の涙”を覚悟しています。
だからこそ、最初のうちは「稼ぐ」よりも「ベースをつくる」ことを最優先にします。
- 業務委託作業でのスキル磨き
-
大量の筆耕をこなし、作業スピードと実務力を向上させる。
- 筆耕サービスの改善
-
ユーザーのニーズや悩みに沿った商品構成、魅力的な導線を備えた出品ページの作り込み。
- 資格取得と技術向上
-
実用書道師範養成講座の受講(師範取得)、毛筆書写技能検定の合格(1級取得)を目指し、日々の練習を継続。
]長期的なビジョン
ベースづくりがある程度満足いくレベルになった先に描く未来は、理想と現実的な目標の両面があります。
理想 | 現実 |
---|---|
私の発信をきっかけに、自分が書く字で心穏やかになる人を増やす | 私の字で人々の人生の節目に彩りを添える家族との時間を大切にしながら、大好きな字で生計を立てる | 会社員時代と同等レベルの年収を目指す
現実的に見れば、筆耕だけで会社員(システムエンジニア)レベルの年収を安定的に得るのは結構厳しい道だろうと考えています。
だからこそ、ベース作りだけやっていけばよいという考えではなく、その先には新しいチャンスや別のチャレンジにも柔軟に取り組むつもりです。
筆耕を軸にしながらも、将来の可能性を閉ざさず、多様な働き方や収入源を模索していきます。



私は人に教えるようなことは得意ではないけれど、いつか何かしらの役に立つことも想定して師範や毛筆書写技能検定1級取得を目指しているよ!
まとめ|副業から本業へ!フリーランス筆耕士としての挑戦と未来


会社員を辞め、フリーランスの筆耕士として歩み出すことは、正直なところ不安もあります。
それでも、好きな字を書くことを仕事にできる喜びは、何にも代えがたいものです。
まずは、筆耕士としての土台を固めるために、次の2本柱を軸に活動していきます。
- 企業の筆耕室での業務委託:大量案件でスピードと精度を磨く
- 自分の筆耕サービス出品:需要に合った商品を戦略的に展開
さらに、お正月限定の神社での筆耕助勤や、ブログでの情報発信も継続し、活動の幅を広げます。
長期的には、
- 人生の節目に彩りを添える仕事を続ける
- 家族との時間を大事にしながら、筆耕で安定した収入を得る
という理想に向けて、日々の努力を積み重ねます。
現実的には、筆耕だけで会社員レベルの年収を安定的に得るのは容易ではありません。
だからこそ、ベース作りの先に新しいチャンスや別のチャレンジにも柔軟に取り組み、将来の可能性を広げていきたいと考えています。
字を書くことを仕事にしたい方へ!
私のように字を書くことが好きな方には、まずは実用書道の基礎を学ぶことをおすすめします。
関連ページでは、字を書くお仕事をしたい方に向けて、どのようなステップを踏めばよいかをご紹介しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね!


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