- 毛筆書写技能検定2級を受験しようと思っている
- 毛筆書写技能検定2級の勉強はどれくらいすればいいの?
- 毛筆書写技能検定2級を受験した人の体験談を聞いてみたい
2024年6月16日。
初めて、毛筆書写技能検定を受験しました。
結果は…
今回は受験することを決めてから約1ヶ月の短い準備期間でしたが、何とか合格することができました。
仕事や日常の忙しさに追われながらも、限られた時間を使ってどう勉強し、実技と理論に取り組んだのか。
この記事では、試験までの勉強内容や試験当日のことなど、リアルな経験談をご紹介します。
これから毛筆書写技能検定2級を受験しようと考えている人はぜひ参考にしてみてね!
1級賞状技法士・筆耕士 かおりんご
書道歴25年以上
- 5歳〜17歳:書道
- 2011年〜:実用書道(2016年に賞状技法士1級取得)
- 現在、毛筆書写技能検定にも挑戦中!
ワーママをしながら副業で筆耕サービスを開始!
賞状技法士1級認定証書
毛筆書写技能検定2級受験のスケジュールと練習量
毛筆書写技能検定2級の受験を決めてからのスケジュールと練習量についてご紹介します。
受験申込みから合格通知までのスケジュール
- 受験申込み
-
5月16日(木) ※ 申し込み期限前日
- 練習開始
-
5月20日(月)
- 受験
-
6月16日(日)
- 合否通知
-
7月3日(水)
受験してみよう!と決めたのは、申込み当日。
実は前日まで受験を全く考えていなくて、ふと思い立って申し込んだんだ。
受験に向けた練習量
スケジュールからもわかるように、練習開始~受験日までは4週間弱。
しかもその間、展覧会出品の賞状制作を行っていたこともあり、毛筆書写技能検定のための練習や勉強時間はほとんど取れませんでした。
実際に、私が毛筆書写技能検定のために費やした時間はというと…
- 実技…約10時間
- 理論…約6時間
実質、16時間程度の練習・勉強しかやってないね。汗
ただし、私の場合、以下の通りの実績と経験があることが前提にあります。
- 書道歴(芸術書道+実用書道):25年以上
- 実用書道は現役で教室通学中
- 賞状技法士1級取得(※民間資格)【参考:賞状技法士とは?】
- 検定直近1ヶ月の練習量(実用書道)は月間40時間程度
毛筆書写技能検定2級受験に向けての練習内容
実技と理論、それぞれどんな練習や勉強を行ったのかをご紹介します。
使った教材もあわせて紹介するね!
実技の勉強内容
実技は、「毛筆書写技能検定 2級 実物大手本」を購入し、これに載っている手本を見ながら練習をしました。
【漢字】楷書・行書
【漢字仮名交じり文】漢字は行書、仮名は連綿でも可
【仮名の臨書】
【漢字の臨書】楷書・行書・草書のいずれか
【俳句を書く】書体は自由
毛筆書写技能検定 2級 実物大手本には、字ごとのポイントの解説や、レイアウト例が載っています。
これらをよく読んだうえで、お手本を見ながら繰り返し書く練習をしました。
私の場合、近年はほぼ細筆ばかりで字を書いているので、今回の練習では太筆での練習時間を多めにとったよ。
試験本番は、練習で書いた内容とはもちろん異なる文字が出題されます。
ですが、教材のお手本をもとに練習を繰り返すことで、傾向がつかめるのでおすすめです!
理論の勉強内容
2級の理論では、以下の内容が出題されます。
- 旧字体を読む・書写体を読む
- 草書を読む
- 平仮名の字源
- 法帖・人名の読み
- 漢字の筆順
- 漢字の字体
※2024年6月時点
理論の勉強では、以下のテキストを使いました。
\唯一の公式テキスト/
このテキストにある2級の理論問題を全問正解できるまで繰り返し解きました。
2級の理論はマークシート形式なので、繰り返しやることで正解の番号を覚えてしまう…ということもあります。
それではあまり意味がありません。
そこで私が行ったのは、公式テキストに記載されている各種資料の読み込みです。
公式テキストには、旧字体の例一覧表や筆順の原則、漢字の部分の名称例一覧といった資料が掲載されており、確実に検定の勉強に役立ちます。
私の場合は、あまり試験勉強に時間を費やせなかったこともあり、一部に絞って資料を読み込みました。
特に、配点が大きめの旧字体と書写体については、常用漢字とセットで一通り手書きすることで暗記しました。
それから、草書。
実は私、草書はあまり読めません。笑
2級では草書の問題が占める割合はほんのわずか。
わずかとはいえ、草書読み問題を捨ててよいかというとそうではありません。
そこで、私はポイントを絞って草書読みの勉強をしました。
部首だけ草書を覚える!
公式テキストには、各部首の草書がわかる資料もついています。
ただ見るだけでは覚えにくいので、やはりここも何度も手書きしてみることがおすすめです。
「部首だけ覚えても意味なくない!?」
と思われそうですが、2字熟語になっていると意外と雰囲気でわかったりします。
私が受験した回の試験では、公式テキストの内容のみで十分対応できました。
あくまでも、上記の勉強方は試験で点数を取るための勉強法でしかないからね。長い目で見るなら、できるだけ多くの文字を何度も書いて身につけよう!
もし、私と同じように草書が読めず勉強方法に悩んでいる…という方は、まずは公式テキストに記載されている草書関連のページのみでよいのでチェックしておきましょう。
毛筆書写技能検定2級受験当日
試験当日のことにも少し触れておこうと思います。
受験する場所によってもだいぶ雰囲気は違うと思いますので、参考程度に見ていただければ幸いです。
会場の雰囲気など
私は埼玉県内で受験しました。
地方に比べれば受験者数は多いとは思いますが、やはり有名資格や人気資格と比べれば、毛筆書写技能検定の規模はかなり小さいもの。
私の受験会場は以下の通りでした。
- 1部屋のみ、受験者は全部で60人程度
- 受験者の9割以上が女性
- 1級〜6級受験者が1部屋で受験
- 4級〜6級受験者はほぼ学生
- 1級受験者→3人、準1級受験者→5人程度、2級受験者→6人程度
長テーブル1台に受験者1人という、書道系の受験会場ならではの広々配置。
とはいえ、書いた作品を置くスペースを考えればそれでも結構ギリギリの広さなんですよね。
毛筆書写技能検定は試験時間が長い上に、当日はとても暑い日でした。
そのため、試験中はペットボトルなどの飲み物を飲むことも許可されていました。
長いようで短い試験時間
2級の試験時間は120分。
事前説明と実技の用紙・問題冊子などの配布時間も合わせると物理的な拘束時間はとても長いです。
でも、試験が始まると、あっという間に時間は過ぎます。
大半の受験者は、先に理論問題を解き、終わったら実技に取りかかっているようでした。
私も理論問題は、見直しも含めて20〜25分程度で終わらせ、実技に時間が使えるようにしました。
2級は実技問題が6問出題されますが、配布される半紙の枚数は12枚。
「紙、足りるかな…?」
と思われる方もいるかもしれませんが意外と時間はなく、私は12枚中2枚は使わずに(正確には使えずに)試験時間が終わってしまいました。
なぜこんなに時間がかかるのか、私の場合は以下のような理由があります。
- 臨書問題以外は見て書くものがないので、特に行書は書く前にイメトレを何回もする
- 掲示物問題はレイアウトを考える必要がある
- 緊張で手が震えて通常よりも書くこと自体に時間がかかる
特に時間を要するのは、掲示物問題のようにレイアウトを決める必要のある問題。
試験本番は紙にレイアウトの線は引けません。
紙を折って目印をつけることはできるので、その線を頼りに作品を書き上げます。
目印をつけても結構見づらいので、実際に筆で字を書く時にはかなり集中力を要するよ。
もちろん、出題される問題(文字)自体は試験の時にはじめて見るものなので、臨機応変に対応する必要があります。
でも、出題される構成やレイアウトは、練習内容の項目でもお話した通り、繰り返し練習しておくことで傾向がつかめるので、試験本番でも焦らずに対応することができます。
毛筆書写技能検定2級受験:書道歴が長ければ少しの対策で合格可能!
書道をある程度経験したことのある人であれば、毛筆書写技能検定2級は短期間でも合格は可能な試験です。
私自身の合格体験からも、実技と理論のバランスを考えた効率的な学習がカギとなることを実感しました。
公式テキストの活用や、自分の得意分野を生かした練習方法を駆使することで、短期間でもしっかりと対策できます。
そして、次なる目標は準1級。
さらに高いスキルを目指して、早速新たなチャレンジを始めています。
これからも一歩一歩、確実に進んでいきたいと思います。
コメント